練習内容

練習体系

私たちが練習する「通備翻子拳」は、軍隊において兵士の訓練を目的に考案されたものです。 本来は武器を用いた集団での戦いを想定したものですが、 護身術として身につけるべき最低限の技術を厳選し、素手、及び竹刀による格闘を練習します。実践に至るまでに以下の様な段階を経ます。

  • 1、基本功を練習する
  • 2、招法を練習する
  • 3、交手を練習する
  • 4、自由に戦う

基本功

基本功とは、通備翻子拳を習得していく上で必要となる
筋力、及び、基本的な動きの獲得を目的として行われる基礎中の基礎の練習です。


・八段錦
・単掛掌
・双掛掌
・通備基本打
・通備十蹚弾腿 (動画:1分20秒から、イラストによる説明とビデオクリップ有り)
・碰膀子
・接手
・橋
・程東閣伝八招翻

主な招法

・当頭炮 (動画:音量注意)

・連珠炮 (動画:空手の動作との比較をイラストにて解説、後半で弾腿の第三路を紹介しています)

・站椿翻と連珠炮の合体(合構え・半構え)

交手の練習方法例

パターンA:互いに旗鼓勢、又はフルコンタクトの構えをとり、相手の自分に最も近い体の部分を打ち、入身に入る。
基本的に半構えでは当頭炮で、合構えでは連珠炮で入る。

パターンB:当頭炮では、お互いに無構えをとり、受け手が手を挙げることを合図として。入身になる。
連珠炮では、お互いに無構えをとり、受け手が手を挙げることを合図にする点は同様だが、入身になる際、相手の足首と拳を打撃しつつ入る点が異なる。

大学で武術を学ぶ意義

通備の語源である「文通武備」は、学問と中国武術を融合し、「武学」という学問分野の確立を目指したものです。 そもそも中国武術とは、中国のある時代に形成された固有の文化現象であり、文学・哲学・宗教・政治などと密接なか かわりがあります。しかし古来武術は蔑視されていたため文献が殆ど残っておらず、歴史研究の対象となっていません。 一方武術愛好家達も健身・護身・競技といった実技面にばかり注目し、その文化的意義の解明には力を注ぎませんでした。

これからの武術には、学術研究に裏付けされた社会性が必要であると考えます。具体的には、最初にこれまで陰陽五行論などによって 観念的に説明されてきた技術体系を自然科学的手法によって科学的に検証します。次に現在の様な技術体系・教授方法になった背景を、 歴史学における武術の在り方を社会科学的手法によって探求します。

私達は、先人達が築き上げた伝統文化を確実に継承するとともに、「武学」という文理融合の学問を確立したいと考えています。 このような活動は、「学問の府」である大学だからこそ出来ることであると思います。

学年ごとの到達目標

1年生形や専門用語といった武術の基本事項を覚え、武術を学ぶ基礎を作り、学業と両立する方法を学ぶ。
2年生ひとつひとつの動作の意味を理解し、様々な技を体系化し武術の理論構築をする。
3年生自らの武術との関わり方を模索し、武術理論と実生活を結び付ける。
4年生大学生活のまとめをし、生涯スポーツとして武術を続ける準備をする。

文責:コマツ君